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師と仰ぐ外野五郎氏のこと
       「師と仰ぐ外野五郎氏のこと」

 我が家は二所帯用のアパートなので,なかなかに生活配分が難しく、二階が私の仕事部屋と夫のアトリエ。下は居間と台所用にしているのですが、寝室だけは一階に見つけられず、仕方なしにアトリエに布団を敷いて寝ています。

 パジャマ姿で外に出て、雨の日は傘をさし外階段を上り下り。と、なんだか江戸時代の長屋住まいに似てなくもない。

 この正月までは、二階は他の住人が住んでいて、その人たちが規則違反にも猫に餌を与えていました。こっそり隠れて猫を飼っている風が、何だか嫌な感じでした。猫のことについて話し合ったことはありませんが、飼ってはいけない決まりは知っているのでしょう。猫がドアーの前で入れてくれるよう鳴き声を上げると、周りを気にしている様子が、見て取れました。

 ある時ご近所の方に、
「猫に餌を上げてくれているようですね」と、言われて言下に、
「いえ、とんでもない。多分二階にお住まいの方ではありませんか」と、私はそんな間違ったことはしていません、と伝えるつもりが、
「実は、野良の子猫が五匹捨てられて、あんまりかわいそうなので飼うことにしたのだけれど、一匹だけ家の中に居るのが嫌なのか居着きません。時々ふらっと姿を見せると太っているので、安心しています」とのこと。

 私の微妙に善人ぶった態度に気付いただろうとは思うのですが。

「家(うち)のは一郎、次郎、三郎、四郎と呼んで、あの子は外(そと)の五郎と名付けています」と、内野一郎以下4匹をその方が飼い、外野五郎は野良猫まがいの自立心旺盛な虎猫の名前だと分かりました。

 それ以後、その虎に出くわすと「五郎ちゃん」と、声をかけていました。ある時玄関口まで入ろうとするので、
「あなたに餌はやりません」と、はっきり家宅侵入も断りました。まだ二階の住人が居る時のことですから、彼のたくましさを知ったような訳です。

 野良として一匹狼で生きていくには、並の才覚では生きていけないでしょう。こちらの意図を瞬時に嗅ぎ分け、二度と餌は欲しがりませんが、その代わりかなり横柄で、横暴です。
 
 ある時、階段上の玄関先に脱いである夫のサンダルが濡れています。猫特有の臭いがします。虎の仕業に違いありません。夫に対するうっぷんを晴らしたのでしょう。

 去年家にダニが繁殖して、わたしは悪戦苦闘していました。夫はそれを気にかけ、挙げ句に元凶は五郎ちゃんだと信じ込んだ様子。それで、五郎ちゃんに出会う度に、冷たい波動を発して通り抜けます。彼のこの波動は後ろにいる私にも見えるくらいに激しく,一発かましてやりたいと、わたしだって思ったくらいですから、野性味のある五郎ちゃんなら、いずれ仕返しはあるに違いないとも思っていました。

 五郎ちゃんが飢え死にすることは無いと知っているので、餌はやりません。それに甘えた感傷かもしれないけれど、こういう五郎ちゃんが好きです。

 二階に上がる狭いアパートの階段の一段に、彼は長々と横になり、私たちは彼を踏まないよう無理な体勢で横を上がり下りします。餌以外のことでは邪険に扱わないことを知っているので、はなから退く気なんかありません。そして彼もあの一度の仕返しで溜飲を下げたのでしょう、二度と臭い付けはしてきません。

 図々しいと言えばそれまでですが、この迫力ある自立心はたいしたものです。猫にしておくのはもったいない。人間にしたい。いえ、私の師になってもらいたい。
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【2007/11/05 15:38 】
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