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こどもと夢の話をしてください
     「こどもと夢の話をしてください」

 わたしの本当の願いの、その芯になるところに、家族で夢の話を、夢を思い出した度にしてくれると好いなあ、というのがあります。

 10年程前、縁あって「ママコム」というサイトで母と子の夢を扱えそうになったのですが、時期尚早だったようで、頓挫してしまいました。

 そのときの経験で、ちょっとこれはと思ったことがあります。それは、母親は自分の夢に関心を寄せる以上に、こどもの夢の分析に関心がいくのだなあと、思ったことでした。無理も無いけれど.....と思いますよね。

 その後わたし自身が、世に受け入れられないと思った時期を経て、目の覚めるような楽天主義の権化、マジェンタの横山玲子さんに出会って、わたしの運命は急速に世に受け入れてもらえる場をいただくことになりました。このご縁は吉田重都さんが作って下さいました。彼はいま、いろいろなところでワークショップを主催し、C・W・ニコルさんのところでもこどもたちとアートヒーリングのワークショップをされています。彼の人生の重み有る背景が、ワークの中に活かされ、ただただ感心するばかりのこどもたちとの交流話が、ときどき聞けます。

 わたしはいまもプチ心配症を抱えています。「これもちょっと心配、あれもちょっと心配」と。玲子さんに相談すると、「そんなことは心配するまでもない。起こらないと決めたら起こりません」と、一喝されます。これで彼女とのやり取り全部を表現したことにはなりませんが、わたしは彼女と話していると、物事の中庸に立てた気分になります。場を与えて下さる彼女と組むメリットの、一番重要なところかもしれません。

 話がそれましたが、長年の夢であったこどもの夢に関わりたいという願いが叶えられて来たのか、ここにきてこどもの夢がわたしのところに集まるようになりました。わたしがこどもの夢の意味をあれこれ解説しなくても、親子で夢を媒体にしてこどもを勇気づけ、親自身の体験がこどもの夢を活かせる、そんな親子関係を作っているのです。すてきでしょ。

 その出色の例をお話しましょう。

 これを読まれたら、こどもと夢の話ができる関係を作っておきたいと思われるでしょう。そう、それが狙いです。

 では。本筋に。とはいえ、これはわたしの体験ではなく、相談を受けたのでもなく、話を聞かされただけのことなので、記憶がやや怪しげです。その辺はご容赦を。


 あこがれの小学校に入学できた女の子が、一ヶ月もしないうちに、学校に行くのをためらいはじめました。母親は何が原因か分からないながらも、ひとつにはその女の子のやや人に打ち解けにくい性格が原因かしらと思って、見守もるだけでした。

 或るとき級友のひとりが、その子に心ない態度を取って仲間はずれにしたのを、たまたまその子の母親が目にしてしまったらしいのです。自分の子が意地悪をするその場面を見て、その母親もかなりショックだったようです。その後当事者の母親ふたりは、こどもたちの間で起こっていることについて、心割って話し合いを持ったそうです。

 なかなか見事な展開です。ラッキーとも言えるでしょう。いじめる側いじられる側の双方の母親が、前向きに話し合おうというのですから。

 わたしが話を聞かされたのは、いじめを受けた側の母親です。彼女の言葉はこうでした。

 「そのお嬢さん自身が幼稚園で、また近所のお子さんたちの間でも、ひどい仲間はずれ状態にあったそうです。
 陰湿ないじめもあり、その所為でお嬢さんもだんだん元気が無くなっていきました。
 ..........小学校に入って、環境が変わって今度は反対に現在の状態に至ったということ......でした。

人はされたことをするんですよね。

うちの子がそのようなことにならないように、なんとかしなければいけません........」

 ここまでやっと育てて、小学校も無事入学したのに、あぁーーっ!。大変です。いじめを受けた側の母親の立派な態度に、「わたしならこんなに冷静では、いられないーーーーーーぃ?!」と、思ったものです。

 そんなある日、とうとう母親の彼女は熱を出して寝込んでしまいました。

「わたしの娘がいじめられているというのにーーーぃ、
わたしはいじめる子を思いやって、
その子の母親の苦しみを聞いているーーーぅ........。
心底腹が立ってぇーーー」だ、そうで。

 そのくらいで済むなんて、いじめを受けている母親は偉すぎると、わたしは思ったものです。 
 
 彼女は夢の勉強をしています。それを娘も知っています。そこで、ここまで来る以前に、その子は母親に自分の夢の話を折にふれてしていたようです。入学してからは、人に嫌みを言われる夢を見続けているのを、母親に報告していたようでした。
 「夢で知らない人に嫌なことを言われる」とか、なんとか。悪夢を繰り返し見ていたのです。

 夢の勉強をしている母親は、
「そんなら、夢なんだから言い返したら?」と、アドバイスしたでしょう。いつもレクチャーで言っているわたしの言葉を受けて、その母親は、「大丈夫夢でそういう人に会ったら、言い返していいのよ」と、伝えたはずです。

 それからちょっと間がありました。あんまり詳しい話も、ハシタナイと気遣ってでしょう。

 次に、「娘が素敵な夢を見ました」と、報告が入りました。

 
   学校と家の間にはトンネルがあるの。

   そのトンネルには魔女がいるのでママが迎えに出てくれている。
   その日も学校から帰るときにトンネルを通ろうとすると、
   魔女が掃除機をもっていて、
   「ごみを吸い取るぞ~~」と怖い顔でおどかしてくる。

   「私はごみじゃありません!」というと、
   魔女は掃除機で攻撃してくるのをやめて、
   無事ママとそこを通り抜けて家に帰れた。



 みんなで大喜びをしました。「言えた!言えた!」と。

 これは一年前の出来事で、この夢は去年の6月初めです。ということは、いじめがはじまってわずか二ヶ月の間でこの変化が、小学一年生の女の子に起きたことになります。

 さて、記憶とは曖昧なもので、この夢の前にもうひとつ夢の報告があったと、わたしの記録にありました。
 
 「数日前にも、娘をいじめる張本人が、娘が止めるのも聞かず道路に飛び出し車に引かれた夢を見たそうです。」と。

 このことをすっかり忘れてしまったのですが、いじめっ子が自動車にひかれて死んじゃった夢を、報告してくれていたのです。

 いじめっ子はこの夢のあと、夢の通りに態度が変わったそうです。文字通り、死が再生につながっていたのです。

 母親は、夢に特有の意味があることを娘に伝えてくれていたのでしょう。だから、クラスメートが自動車にひかれて死んじゃっても、こんな嫌な夢なのに、母親に言えていたんだと、あとでわたしはほっとしました。

 次いでですから、もうひとつ、いじめの原因を概略お話しましょう。それは、この子のママのことでした。大人の目からは何でそんなことがと思う程のつまらない取るに足らない理由です。何だか恐ろしい程、残酷な話ですよね。本当の原因は、ねたみそねみの類いに違いないのですが。

 幼稚園に通っている妹もお姉ちゃんがいじめられる原因を知っていたようです。知らないのは、ママだけ。ひょんなことでそれが分かったのはビデオ屋さんの駐車場の車の中でした。三人一緒に大泣きをしたのだそうです。かえってラッキーでしたね。泣いても、まわりは怪しまない。こどもふたりは母親を思いやり、言わないで置こうと気を利かせたのだけれど、あまりの苦しさにぼろが出てしまったのでしょう。ぼろといってよいのかどうか。

 夢主の女の子が、どんなにママにそれを隠し通そうとしたか、痛い程その気遣いが伝わります。そんな彼女はしっかり自分の心を強くする頑張りを見せました。彼女も成長し、クラスメートも成長したようです。

 もう今となっては昔々の、夢にまつわるほっと胸なで下ろす思い出話でした。
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【2008/08/28 07:28 】
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